「愛されルート A or B ?」感想

2021年6月23日発売『はっきりしようぜ/泳げないMermaid/愛されルート A or B?』

作詞:山崎あおい 作曲:山崎真吾

 

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トリプルA面の中で一番好きな曲。

MVも一番垢抜けているように感じる。

公開1週間で66万再生ってすごいなあ…アンジュルムの時代が来てるな

 

作詞の山崎あおいさんはJuice=Juiceの「好きって言ってよ」や「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」、「微炭酸」作詞・作曲の人。

アンジュルムなら「泣けないぜ・・・共感詐欺」「Uraha=Lover」の作詞・作曲。

湿っぽくなりすぎない適度な湿度と、現代的な価値観が魅力だと感じる。

 

検索したら1993年生まれなのか!若い!作品の完成度が高いのでもっと上の世代の人かと思ってたけど、この若さでこんなにいい曲が作れるなんて天才だな。

 

絶対シンガーソングライターであろうな、と思わせる、この歌詞にはこのメロディーしかないでしょ!みたいな噛み合いかたも魅力のひとつだと思っていたけど、この曲も詞先か曲先かわからないほど綺麗に作ってある。

最後の「だーけど変わりたくなーーーい!」のシャウトを思うと詞先かな?

 

作曲の山崎真吾さんはアニメソングを多く手掛けている方のようで、私はアニメに疎くてこれまでのお仕事はよく存じ上げなかったけれども、愛されルートがすごくよかったのでこれからもハロプロとお仕事をしてくれたら嬉しいなあ。

 

 

桃奈推しとして、桃奈が目立つMVで嬉しかった。

ここ最近でぐっと自分の方向性を見定めたというか、髪型やメイクに迷いがなくなったように感じているのでこのタイミングで目立つ部分をたくさんもらえたことも嬉しい。

公式YouTubeのコメントでも「綺麗になった」とか「素敵」みたいなコメントがたくさんある。桃奈って素敵だよね。

 

私はアンジュル部のあやちょ卒業回で桃奈が「強くなる」「なににも負けない!」と叫んだときにほろりときました。

りなぷ~への懐き方やあやちょへの愛と信頼、尊敬が本当に大型犬のそれで、桃奈は外見は大人っぽいけど、内面はものすごく愛に溢れ繊細で優しいんだろうなと感じさせる部分がたくさんある。

桃奈に限らず、アンジュルムはだいたいみんな愛に溢れ繊細で優しい人たちだけど…。

 

しかし友人が「桃奈はもともとゴージャスだから、ごちゃごちゃ飾るよりシンプルな髪型と衣装の方が良さが引き立つ」というようなことを言っていたけどまさにそれ

 

「かっこいい」を表現しようとするとやっぱり男性的…ショートカットやパンツルック、体のラインを隠すオーバーサイズの衣装、になりやすいところをロングヘア、オフショルダーのタイトミニワンピ、ピンヒールという女性的な要素を集めてこれほどかっこいいのか!という感動さえあった

なのにかっこいい全振りというわけではなく、白ワンピもとってもよく似合う。とても可愛い。

 

 

タイトルを聞いたときは恋愛の歌かな?と思ったけど、曲をよく聞いてみたらもっと広い意味の「愛され」を歌っているなと感じた。

むしろ異性愛のイメージが強いワードを注意深く抜いているような…?

「褒められる」「かわいげ」「面白い奴」「人気」「怒られたくない」「手がかかる」「無礼講」と、どちらかといえば恋愛よりも部活やサークル、会社の若手を想像させる単語で、そのぶん射程範囲が広いというか多くの人が「この曲は自分のことを歌っている」と感じられるようになっていると思う

 

『あなた一人』に愛されるのも楽じゃないけど、いろんな人がいる場所でいろんな人に愛されるのも全然楽じゃはない。種類の違う苦労がある。

 

誰かの意見に賛成したら誰かの意見を否定するかもしれない。誰かのお誘いを受けたら誰かのお誘いを断ることになるかもしれない。誰かと仲良くしたら誰かを寂しくさせるかもしれない。全員のことなんて気にしてられないけど、目の前にいればどうしても気になる。

次々と選択肢はあらわれて、できるだけ失敗したくないし、がっかりもされたくないし、傷つけたくもないし、できたら傷つきたくもない。

 

サビでは三拍子に合わせて同じようなフレーズ、同じようなメロディーが繰り返されて、どっち?こっち?あっち?そっち?と私(たち)は迷い続ける。

 

愛されるための正解は?常識的な正解は?あなたの正解は?この場の正解は?

あの子が選んだら正解かもしれないけど、私が選んだら不正解かもしれない。

 

ねえ教えて、ねえわかんない、もうやめてよ、もうやめたい、の反復の果ての「だけど、変わりたくない!」のために全てがあるのかなあ。

「もうやめてよ、めんどくさい!」をシャウトするだけでおおよそ伝わると思うし、その形で終わっても問題ないような気がする

だからこそ、「変わりたくない」と最後の最後に叫ぶことが必要なのかもしれない。

ここはかみこの声質だからこそ!と言いたいけど誰が叫んでも結構しっくりきそうなのがアンジュルムの層の厚さ。すごい。

 

 

MV、最後の「もうやめてよめんど、く、さーい!」の「ど」部分の桃奈の振りがビッっとして可愛いので次再生するときにちょっと気にして見てみてください。